2014年7月15日

課長の教科書

普段ビジネス書ってほとんど読まないんだけど、というかそもそも本をあまり読まないんだけど、書店で気になって読んだ本があったので紹介してみようと思う。ロジカルに分かりやすく書くつもりはないので、すいません…。

タイトルは、新版 はじめての課長の教科書

世の中のビジネス書はほとんど次の二種類に分類できて、平社員がどうやって成果を上げるか、経営者がどのように事業を運営していくかのどちらかになると思う。

この本はそのどちらでもなくて、いわゆる中間管理職である、課長がどうやって生きていけば良いかが書かれていた。

普段経験しないことが書かれていて、課長たちの仕事を経験できた気がしてとても面白かった。


まず、課長とはなにかという話。

この話の中で面白かったのは、課長は平社員ではなく経営者・管理職だが、その中では最下位であるという話。
また、より上位の管理職と異なり、普段は現場の社員と同じ部屋にいるということ。
その分、部長よりも現場に近く、より専門性も高く、担当事業に対する知識・情報量も多い。
係長以下とは異なり、担当プロジェクトを持ち、予算管理をするようになること。


次のテーマで語られていたのは、課長の仕事で起こる問題とそれをどうやってコントロールするかという話。

課長には担当プロジェクトの予算を決め、一度決めたらそれを100%達成しなければならいという話は、学生の頃だったらそんな理不尽なと思っただろうが、今ならそれは達成しなければならないよねと納得できる。
また、達成できないと見込まれた場合、部長にすぐに原因と対策をセットで報告しなkレバならないというのも、まあ当然だよねという感じ。
ただ、これ本当に厳しい仕事ですよね……。

また、問題社員をどうするかという話。
会社の備品を盗んだり、無断欠勤を繰り返すような社員をどうするか。これは法的にNGなので、堂々と法務や人事に報告すればよい。そうだね。

最も印象に残っているのは、パフォーマンスが極端に低い社員(人事の世界でCクラス社員と呼ばれるらしい)をどうするかという話。
結論から言えば、この社員がパフォーマンスを出せないのは課長に責任がある。Cクラス社員でもできる仕事を見繕ってやるべきだ。また他の社員が見捨てても、最後まで課長は見捨ててはいけない。
パフォーマンスの低い社員は解雇すれば良いのではないかという意見も出るだろうが、それは違う。働き蟻と怠け蟻の割合は、怠け蟻を群れから取り除いても別の蟻が怠け蟻となり、割合は常に一定であるのと似ていて、パフォーマンスの低い社員を組織から取り除いても、いずれ別の社員が怠けるようになる。
また、組織全体のパフォーマンスは最もパフォーマンスの低い社員がボトルネックとなることが多い。そのため、組織を強くするためにも、課長はパフォーマンスの低い社員に向き合わなければならない。
また、簡単に解雇してしまえば、後味の悪いことになるのは明白である。


この本の中で何度も語られていたのは、「ほめる」の反対は、「しかる」ではなく「無視する」ことということ。
部下が成功・失敗したとしても、ほめたりしかったりせず、無視する・評価しないことは良くない。

他のビジネス書やブログなどでも良く言われてることだけど、ほめるときは必ず人前で、ほめる対象の人だけをほめる。
逆にしかるときは、二人でこっそり。叱った後はすぐに話題を切り替え、次に期待していることを伝える。


社内政治をどうすれば良いかという話。

政敵が現れれば、政敵のことを政敵のいないところで褒めて回れば良い。
相手はたいがいそれで挫けてしまうし、それでも敵対してくるような相手は、社内でも信頼されないだろう。

また、自分の出世が課長止まりの可能性も考えておくこと。
転職やヘッドハントされる場合の失敗しないようにする方法、起業も考えてみること等、面白い話題は他にもたくさんあった。


……課長って、大変だね。